『あなたのすてきなところはね』
あなたの すてきな ところはね
おひさま みたいな ぽかぽかの えがお
あなたの すてきな ところはね
ぎゅっと つないでくれる ちいさな て
そして なにより あなたの すてきな ところはね・・・
今回は最近購入した絵本『あなたのすてきなところはね』について紹介したいと思います。
子どもが小さかった頃、“寝返りが出来た”“つかまり立ちが出来た”小さな“出来た”にとても大きな幸せを感じた経験はありませんか?ぎゅっとつないでくれる小さな手やヨチヨチ歩きした足、澄んだ目全てが愛おしかったあの時期。でも成長するにつれてだんだん“もっとこうなって
欲しい”“周りの子は○○出来るのに・・・”なんて比べ求めることが増えてしまったり・・・。
いろんな情報が飛び交う今、困った時には検索すればすぐに答えが出てきます。
しかしその反面、多くの情報に振り回されてしまうこともあると思います。
特に初めての育児は、何も分からないところからのスタート。自分の気持ちを言葉で伝えられないわが子。何が合っていて何が合っていないのかも分からず、調べてさらに不安になったことも
私自身ありました。
いつの間にか“今の子どもの成長”よりも“情報に合わせて子どもを育てる”ことに必死なって
しまった方もいると思います。
この絵本を読んでいくと、「そうそう、こんな時期うちの子にもあったな」と誰もが思う場面が多く出てきます。そして、“この子が生まれて自分を母親にしてくれたことが、何よりの幸せ
なんだ。それだけで十分なんだ”と改めて気づかされます。
多くの情報の中に生きていると“出来ていない”部分に目が行きがちですが、本当に大切なことは、“出来ない部分”よりも“出来るようになった”部分に目を向け成長を喜ぶ(親子一緒に
育つ)ことなのかもしれませんね。
一生懸命自分の手を握っていた小さかった手が、しっかりとした手になり、いつの日かその手を放して自分の道を一人で歩む時。“あなたなら大丈夫。自分を信じた道を歩んでいってね”と背中を押してくれる、そんな一冊です。
『あなたの すてきな ところはね』
大切な人の笑顔が輝く魔法の言葉をぜひ探してみてください。
(宝田)
参考文献:あなたのすてきなところはね
作 :玉木永吉
出版社 :角川書店