Column

将来を生きる子どもに、今できること

パソコンやスマホ、テレビなどさまざまな物からいつでも情報を得ることが出来る情報過多な時代。分からないことはすぐに検索することが出来る一方で、「考える」ことはどれくらい減るのでしょうか? 

今後ももっと便利に進化していく社会…その中で今の子ども達には自分で「考える」という経験を

たくさん積んでほしいと思っています。

園で取り入れているモンテッソーリ教育にはその要素がいろいろ含まれています。

今までの教育では“大人が子どもに教え込む”という一方的なものが多かったです。

しかしモンテッソーリ教育を基にした、私達清香会では、子どもが自ら選び満足するまで取り組む、興味があることに対して主体的に追求していく、その気持ちを大切にしています。

子どもが興味のあること、知りたいことであれば、何でもすぐに大人が教えていいでしょうか? 

「何でだと思う?」と質問する声掛けで、子どもは『考え、調べる』という経験をすることが出来ます。

お家でも、自分で調べたり新しく覚えたりしたことを、嬉しそうに話したり、何度も繰り返し伝えたり

する姿はありませんか?

それが子どもの『本当の学びになった』と言えるのだと思います。

この経験は大人になった時にも必ず残ります。

『考える』というと幼児期からのことだと感じてしまうかもしれませんが、乳児期の子も同じです。

忙しい朝、着脱や保育園に行く準備に子どもが「自分でやりたい」と泣いてしまう経験はありませんか? 何でも自分でやりたい『イヤイヤ期』、子どもは自分でやることで、その動作を獲得しようとしています。そのような時期をモンテッソーリ教育では“敏感期”と呼んでいます。

獲得したい「あること」に対して、興味と強いこだわりを持ち、何度も繰り返し取り組みます。

敏感期の子どもは、いとも簡単にその動作を獲得してしまう、とも言われているので「また泣いている…イヤイヤ期か」と片付けてしまうのではなく、出来るだけさせてあげたいですね。

とはいえ、仕事に家事にと忙しく家庭ではその全てに応えるというのは難しいですよね。

だからこそ、長時間過ごす保育園ではその経験をたくさんして欲しいと考えています。

「ボタンってどうやってとめるのだろう」「どうやったら靴下を履けるのだろう」子ども達は常に考え

時には上手く出来ずに泣くことも…。

でもその全てが子どもの育ちにとって必要な経験です。

園ではその気持ちに寄り添い、基本的生活習慣の自立を促せるような関わりを心掛けています。

 お家でも、子どもへの声のかけ方を少し変えてみるのはいかがでしょうか?

子どもはお父さん、お母さん、家族が大好きです。

「自分でやりたかったのね」「自分で調べたの?すごい!」と共感し、些細なことでも褒めてあげる、

それだけで十分に心が満たされ「もっとやってみよう」と意欲に繋がります。

将来、何か大きな壁にぶつかったり、他者との関わりで悩んだりすることがきっとあると思います。

その様な時に、『自分で考え、自分で何が正しいのか判断できる』力があればきっと乗り越えていくことが出来るでしょう。

そんな成長した姿を思い描きながら、私達も子育てのお手伝いになれるように日々保育をしていきます。

(岡先)