【心育】妊婦のおなかに触れる
人は人との関係性の中で、さまざまなことを学び、成長し、生きていきます。そして、園は子ども達が初めて出会う社会です。その中で、人としてやってはいけないこと、やらなければならないこと、また、喜ばれることや感謝の気持ちを持つことなど、さまざまな経験を通して、心は大きく成長していきます。人として豊かな心を育めるように、園では『心を育む保育=心育(しんいく)』に取り組んでいます。
先日、『妊婦のおなかに触れる』というプログラムを行いました。子ども達に伝えたかったことは、
・胎児がおなかの中でどう過ごしているのか知らせ、命の重さや大切さを感じる
・子ども達自身が命(自分)の誕生までの過程を知る
・妊婦とのかかわり方を考え、思いやりの気持ちを持って接する という3つです。
私自身が今妊娠をしており、実際に子ども達がおなかに触れるという実体験をさせてあげられると
思ったからです。
≪プログラムの流れ≫
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導入の絵本『うまれてきてくれてありがとう』 にしもとよう:ぶん 、 黒井健:え (童心社)
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2か月~10か月までの胎児の成長をイラストで紹介
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エコー写真:一か月ごとの胎児の大きさや重さを知らせる
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エコー動画:胎児が動いている様子を見せる
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おなかにさわる時の約束事を話し、実際に妊婦のおなかに触れてみる
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話を聞いてどう感じたか、子ども達の意見を聞く
胎児の成長について子ども達に知らせたのは今回が初めてでした。少しずつ人の形に変わっていく様子をじーっと見つめる子や、「赤ちゃんって服着てないよね」と話したり、中には2か月頃の胎芽期のイラストを見て、「なんかかたつむりみたい!」という声も聞こえてきました。
エコー写真では、その時々の胎児の重さを果物に例えてクイズを出したり、室内活動の『長さの棒』や『ウォールナットステアーズ』などの教具で、実際の大きさや重さを体感できるようにしました。
また、7か月のエコー写真は胎児がへその緒を握っていたので、「みんなもお母さんのおなかの中にいた時に、ここから栄養や血液をもらっていたんだよ」と話すと、驚いたような表情を見せる子や、「血液って血のことだよね!」と教えてくれる子もいました。
エコー動画では、胎児が動いている様子を見て、「なんか目開けてるみたい!」「見て見て!赤ちゃんあくびしてる!」と終始大興奮の子ども達でした。
その後、実際におなかに触れる場面では、そっと両手を添えたり優しく撫でて「あったかいね」と話す子や、タイミングよく胎児が動いて「あ、なんか今動いた!」と気付く子もいました。下に兄弟がいる子は、お母さんが妊婦さんだった時を思い出して「ママのおなかも大きかったよ」「赤ちゃんって産まれた時すごく小さいんだよね!」と話す姿も見られました。
最後に、話を聞いてどう感じたかを聞いてみると、「おなかに触れたのが嬉しかったです」「赤ちゃんが生まれたら、よしよしってしてあげる!」と笑顔で話す子ども達の表情がとても印象的でした。
9月末に出産の為、8月中旬から産休に入ります。初めての出産となりますが、この出産・育児という経験を、今後の保育士としての仕事に活かせるよう学びに繋げていきたいと思います。(池之座)