Column

【思わず言ってしまう「急いで!」という言葉】

入園から一か月が流れました。

子ども達も随分と園生活に慣れてきた様子が伺えます。朝、涙して登園して来る子どもも、少しすると、涙がなくなりお部屋のさまざまな教具に触れて遊んだり、お友達と関わってみたりしています。

そして音楽が大好きな子ども達はホールに全員集まると、楽しそうに体を動かして体操をしたり、さくらんぼリズムをしています。

簡単な「運動会ごっこ」ではラインを意識して「よーいドン」とかけっこを楽しんでいる姿もあります。

子ども達の様子から少しずつ散歩なども取り入れ、メリハリのついた活動を取り入れていきます。

 

朝、自分の息子に必ずと言っていいほど、言っている言葉があります。

それは「急いで」「早くして」などの言葉です。みなさんは、どうですか?

朝は本当にドタバタですよね。自分の身支度はもちろんのこと、朝食の準備、子どもを起こして朝ごはんへの促し(日によって「これ食べたくない」などがあるので大変です。)、子どもの身支度、保育園に行く準備、時間が本当にあっという間に流れてしまい、気が付けば家を出ないと出勤時間に間に合わない時間。そんな時につい「もう急いで! お母さん時間がないの」と言ってしまいます。一体、何回このような言葉をかけてしまっているのだろうか・・・ 「言ってしまった・・・」と反省することもあります。

 

保育士の観点からのお話。

子どものペースと大人のペースはかなり違います。2歳児で言うと大人の動作はビデオなどの8倍速を見ている感じです。反対に子どもがしている動作がすごくゆっくりだと感じることもありますよね。それもこれと同じ原理です。また1歳半から3歳半ぐらいには「順番」にとてもこだわる時期があります。このぐらいの時期は「靴はこっちから履く」「保育園に行く道はこの道」(保育園からの帰り道などよく見ていると、必ず立ち寄るところありませんか? たとえば、ちょっとした段差に必ずのぼる、平均台のようにわたって歩くなど)など、このような時期をモンテッソーリ教育では【秩序の敏感期】と言います。(敏感期=その内容について、自ら進んで無理なく吸収する時期。)

このことを理解していると、朝のドタバタの時間でも・・・・

☆「子どもが自分でできる時間の保証」を考え関わる

☆子どもがこだわっているところを見極めて「自分でやってみようとする」意欲を大切にする

☆「子どもと大人は違う」という認識のもと関わる(できるペースや理解)

  ⇒だから子どもがわかる言葉でやり方を何度も伝えて理解できるようにゆっくりと見せて知らせ

ていく

 

 理論的にわかっていても、「急いで!」という言葉をつい発してしまいます。今日もお風呂に入る前にパズルで遊び始め、(何度も何度も繰り返し)「もう、お風呂の時間。寝る時間が遅くなるでしょ!!」と伝えてしまいました。保育士だと「これが終わったらね」など子どもが先の見通しがイメージできるような言葉を事前にかけるのですが・・・。毎日失敗し反省する日々です。そのため寝る前に必ず息子としていることがあります。「今日も一日ありがとう ギュ~」とお互いに言って抱きしめること。これですべてをリセットし、一日をプラスの気持ちで終われるようにしています。気のせいかもしれませんが、これをし始めてから、夜泣きも少なくなり、お互い気持ちよく一日が終われるような気がしています。

 次回は【敏感期】についてもう少し深くお話をします。             (谷本)