Column

レジリエンスを高めましょう!

レジリエンスを高めましょう!

 

去る1月10日、福岡と関東の全園をオンラインでつないで法人合同研修を実施いたしました。その中で、これからの時代に求められることを共有するべく、小学校学習指導要領について理解を深める時間をもちました。

政府広報オンラインには「グローバル化や人工知能・AIなどの技術革新が急速に進み、予測困難なこれからの時代。子ども達には自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、自ら判断して行動し、

よりよい社会や人生を切り拓いていく力が求められます。」という記述があります。学校での学びを通して、子ども達の「生きる力」を育むことを目指しているのです。

すでに「外国語教育」や「プログラミング教育」などが導入され、授業はデスカッション中心で進められているそうです。暗記して知識を得ることよりも、さまざまな教科等で学んだ見方・考え方を

相互に関連付け、自分なりに問題を見いだし解答を導きだせるような学びが重視されています。

引用:政府広報オンライン https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201903/2.html

 

そのために必要な力「レジリエンス」

 ただ覚えるだけでなく、自分で考えて答えを見い出すには、いろいろな角度から物事を見なければなりません。時には試行錯誤を繰り返し、ようやく答えにたどり着くこともあるでしょう。できないからといってすぐに諦めたり、失敗して投げ出したりしていては、深い学びにつながっていきません。

そこで求められる力が「レジリエンス」です。2020年以降のコロナ禍では、新たなストレスも増加しています。先行き不透明な世の中を生き延びる、その中でストレスやプレッシャー、 困難やトラブルとうまくつき合う技術=レジリエンスの必要性は現在、より高まっていると言えます。

 

「レジリエンス」とは

 「レジリエンス とは本来、環境変化に対する生態系の『復元力』を表す言葉として使われていました。それが現代心理学で『逆境やトラブル、強いストレスなどに直面したとき、それらに適応できる精神力と心理的プロセス』と定義づけられて使われるようになったのです。言い換えれば、精神的に疲れる体験をしたり、気持ちが落ち込んでしまったときに『再起できる力』や『立ち直れる力』ということです。」

引用:久世浩司. レジリエンスで心が折れない自分になる (p.9). 日本能率協会マネジメントセンター. Kindle版.

 

レジリエンスは高められる

レジリエンスについて、海外ではすでに40年ほども研究が続けられています。その結果、逆境やストレスに直面しても立ち直る力は、適切な訓練をすることで高められることがわかっています。自分自身がそのトレーニングを行うことが必要ですが、それとともに周囲のサポートを得られることも非常に重要です。

子どもにとって最大のサポーターは、保護者の皆様や私達保育者です。子どもは成長する過程で、たくさんの「つまずき」を経験します。私達大人の役割は、子どもがつまずかないように先回りをするのではなく、つまずきの過程で褒めたり、励ましたりして寄り添うことだと思います。

モンテッソーリ教育では、子どもが教具に取り組む中で、自分で誤りに気づく「誤りの訂正」という仕組みがあります。敏感期には興味をもったことに、できるまで取り組む姿があります。レジリエンスは本来誰しもが持っている力です。特別なトレーニングをしなくても、日々の生活の中でレジリエンスを高めていけるようにかかわっていきます。                  

 (飯塚)