Column

絵本作家 ヨシタケシンスケ氏

『ヨシタケシンスケ』という絵本作家の方をご存知でしょうか。私がヨシタケシンスケ氏の絵本を知ったのは、近所のタリーズコーヒーでした。店内に自由に読める本棚があり、『りんごかもしれない』がディスプレイされていました。そのときはざっと見ただけでしたが、以来ずっと気になっていました。最近ほかの本を買うためにネットを検索していたら、ヨシタケ氏の絵本が目に飛び込んできました。レビューを読んでいたらどれも面白そうで、一気に数冊購入しました。

 

ヨシタケシンスケ氏のプロフィール

 


1973年神奈川県生まれ。絵本デビュー作『りんごかもしれない』で、第6回MOE絵本屋さん大賞第1位、第61回産経児童出版文化賞美術賞、『このあと どうしちゃおう』で第51回新風賞、

『もうぬげない』でボローニャ・ラガッツィ賞特別賞など、数々の賞を受賞し、注目を集める。

~ブロンズ新社 絵本カバーそで 著者紹介より抜粋~

 

もともと絵本作家を目指していたわけではなく、大学卒業後はゲーム会社にお勤めされたそうです。仕事中の暇つぶしにグチ付きのイラストを描いていて、それを他の人に見られないために手ですぐに隠せるよう小さいサイズで描いていたとのこと。そうしたらそれ以上大きく描けなくなってしまい、絵本にするときは原画を1.5倍から2倍に拡大しているそうです。

 

大人が読んでも面白い!「発想絵本」

ヨシタケ氏の絵本は発想絵本とも呼ばれています。デビュー作『りんごかもしれない』では

テーブルに置かれたリンゴを見て「もしかしたらこれはリンゴじゃないかも」と主人公が空想を

広げなす。『もうぬげない』では服を脱ごうとして引っ掛かってしまった男の子が「ずっとこの

ままだったらどうしよう」と妄想をしていきます。よくある日常風景が、想像力によって愉快で

壮大な物語に変わっていく点が、ヨシタケ氏の絵本の魅力の一つと言われています。

 

物事を多角的に考える視点

本当に絵本の主人公達は、とにかくよく考えます。それは時に哲学的であったり、シュールで

あったりします。読みながら「本当にそうだよなぁ」と共感したり、「そんなこと考えたことなかった!」と気づかされたり。私は物事を掘り下げて考えるのは得意ではないのですが、ヨシタケ氏の絵本を読んでいると、考えるって楽しい!とワクワクしてきます。もしかすると園児にはまだ

わからない部分が多いのかと思いますが、大人がこの絵本のような視点をもっていると、自然に

子ども達も考えを巡らすようになるのかもしれません。

 

これからの時代に求められる『自ら考える力』

先の見えない社会を生きていくために、自分の頭で考えて解決していく数学的思考力が必要だとも言われています。さまざまな視点から見る力、イメージ力、人に説明できる力などが求められているのです。そのために今園でできることは、考える機会をもつことはもちろんのこと、自分を

否定されない安心感を与えてあげることかと思います。子ども達の発想は本当に豊かです。

「○○さんはそう考えるんだね」「自分の考えはこうだよ」と受け入れることも

自己主張もできる。それができる基盤作りをしていきます。(飯塚)