保育を見直す視点
先日、『主体的な子どもにする意義、手立てについて~今こそ保育を見直す時~』という講演を聴く機会がありました。その際「教育改革にともない保育所保育指針は2018年に改訂になっている。だが法律が変わったのに保育は変わっていない」という少々耳の痛いご指摘がありました。お話にもある通り、2020年教育改革に先立ち、幼稚園では新幼稚園教育要領、保育園では新保育所保育指針が2018年からすでに施行されています。新しい学習指導要領については、小学校では昨年度、中学校では今年度から全面実施されています。高等学校では2022年度の入学生から年次進行で実施されることになっています。
■ここで豆知識
1.新しい学習指導要領はいつから始まるの?
小学校は2020年度、中学校は2021年度、高等学校は2022年度から
2.なぜ学習指導要領が改訂されるの?
変化の激しい時代に合わせるため
3.新しい学習指導要領で育む資質・能力とは?
「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力など」「学びに向かう力、人間性など」の3つの柱
4.新しい学習指導要領の下で学ぶ内容は?
「外国語教育」や「プログラミング教育」などが充実します
5.「どのように学ぶか」も重視
キーワードは「主体的・対話的で深い学び」の視点
※政府広報オンラインより抜粋 https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201903/2.html
■講演会に参加して
保育所保育指針では「主体的・対話的で深い学び」というキーワードの記述はないものの、随所に主体的という言葉は使われています。講師の方から「主体的とは自らが感じ・考え・行動することで、それは年齢や興味関心、経験の有無によっても違う。だから『ひとりひとり違っていい』ものなんだ」という考えを伺いました。加えて、子どもに寄り添っているつもりが教えすぎになっていないか、という問題提起も頂きました。その他にもいろいろ心に刺さるお話を伺い、まさにサブタイトルにあるとおり「今こそ保育を見直す時」という時間を過ごしました。
■今後の取り組み
講演を聴いて、私が見直したいと考えたのは以下になります。
・園で進めている「テーマ保育=アクティブラーニング」は子ども主体で行えているかどうか。
・子どもが考えて行動できるようなかかわりをしているか。
・子どもが「ひとりでできる」ようにかかわっているか。
・教えすぎになっていないか。
現在コロナ禍にあって感染予防という観点からは、必然的に保育の見直しをせざるを得ない状況が続いています。それも踏まえつつ、子どもの成長を育むという視点から、幼少期に必要な活動や経験などを考えていきたいと思っております。子どもの育ちにとって大切なことは何か、必要なことは何かを見失わないように、職員と話し合いを重ね保育の見直しに取り組んでまいります。
(飯塚 佳代子)