Column

東京オリンピックレガシー

いよいよオリンピックイヤーがやってきました。新国立競技場も完成し、準備も最終段階を迎えます。今年は令和2年というよりは“2020年”として記憶に残りそうです。

米国TIME誌の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」にスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん(16)が選ばれました。

グレタさんの活動をめぐっては、応援する声や中には誹謗中傷のような声など、賛否両論があります。活動の善し悪しは別として、彼女の行動が環境活動に一石を投じたのは間違いのない事実で、それは意味のあることだと私は思っています。

オリンピック憲章(2019年6月26日~)の中に環境に関する記述があります。

第1章 2-14.環境問題に対し責任ある関心を持つことを奨励し支援する。またスポーツにおける持続可能な発展を奨励する。そのような観点でオリンピック競技大会が開催されることを要請する。

公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会HPには、上記の持続可能な発展に関連する記述があります。

第1章 2-14.環境問題に対し責任ある関心を持つことを奨励し支援する。またスポーツにおける持続可能な発展を奨励する。そのような観点でオリンピック競技大会が開催されることを要請する。

日本は、気候変動や天然資源の枯渇、差別等の人権問題等、持続可能性に関する世界共通の課題に直面しています。東京2020大会は、「Be better, together /より良い未来へ、ともに進もう。」をコンセプトとし、持続可能な社会の実現に向け、課題解決のモデルを国内外に示していきます。

https://tokyo2020.org/jp/games/sustainability/

 

さらにオリンピック憲章には「オリンピック競技大会の有益な遺産を、 開催国と開催都市が引き継ぐよう奨励する」と明記しています(第1章2-15.)。ロンドン大会ではそのレガシーが引き継がれたようですが、リオデジャネイロ大会ではすでに使われていない施設がたくさんあるそうです。

2013年五輪招致のプレゼンテーションの中で、安倍首相は「オリンピックの遺産とは、建築物ばかりではなく、国家を挙げたプロジェクトをいうものでもないと教えてくれました。それは、グローバルなビジョンをもつこと、そして、人への投資をすること、ということを私たちに教えてくれました。」(国際情勢研究会,2013,P300)と語っています。

 

さて東京大会は環境問題に対し責任ある関心を持ち、スポーツにおける持続可能な発展に貢献できるのでしょうか。レガシー(遺産)を引き継いでいけるのでしょうか。何年先までも見届けたいと思います。

                                        (飯塚)

 

2020年が皆様にとって素晴らしい年になりますようお祈りいたします。

本年もよろしくお願い申し上げます。