Column

沖縄の研修会に参加して

皆様の中にも沖縄に魅了されている方は多くいらっしゃると思います。私もその一人です。子どもが小さいころは親戚と毎年のように訪れていました。周辺の島にも渡り、与那国島をバイクで回っている途中イナゴの大群に襲われたこともありました。沖釣りをした時は大量のグルクンを釣り上げ、必死の思いで料理をしました。そういえばこのようなこともありました。息子が確か年中組だったと思いますが、旅行の最終日に食事をしている際、急に泣き始めました。それまでは楽しく食事をしていたのに「オレは悪い子なんだ」「もうオレはいなくてもいいんだ」と言いながらずっと泣き続けたのです。私たちは皆で慰めましたが一向に泣き止む気配はなく、結局食事どころではなくなり、早々に引き上げました。翌日はケロリとしていて、以後そのようなことはありませんでした。一体あれは何だったのだろうと、今でも時々思い返します。息子が大きくなった今では、それも懐かしい思い出になっています。

前置きが長くなりましたが、このたび大好きな沖縄で行われた研修会に参加させていただきました。かねてより、沖縄には清香会の保育に共感してくださっている園が何園かあり、大江統括園長がアドバイザーとして定期的に訪問しています。その訪問園を中心とした研修会に清香会も共催として関わらせていただいており、今年で5回目になります。訪問園以外にも多数の園から申し込みがあり、総勢230名の熱気あふれる研修会となりました。毎年清香会からも10名ぐらいが参加し、何名かは保育についての発表をしています。今年は遠藤保育士もその中の一人として選ばれ、「あるての取り組み」についての発表をしました。沖縄の先生方は学ぶ意欲にあふれ、とても真剣に発表を聞き、熱く議論を交わしていらっしゃいました。あるてに関しては特に関心が高く、遠藤保育士への質問が相次ぎました。あるてについて知っていただくいい機会になりました。

翌日は、大江統括園長がアドバイザーとして訪問している園の本園と分園を見学させていただきました。こちらの園は数年前から異年齢保育に取り組み、清香会にも毎年のように見学にいらっしゃっています。ようやく3年ぐらい前から形になってきましたと園長先生がおっしゃっていたとおり、魅力的な教具に囲まれ、子どもも保育者もゆったりと過ごしている様子が伺えました。子どもたちの興味関心に応えたい、という先生方の思いがひしひしと伝わってきて、私たちも大いに刺激を受けました。

研修会で発表をした沖縄の園の先生が結びに「すべての人の幸せのために頑張ります」とおっしゃっていました。私はその言葉に本当に共感します。モンテッソーリ教育にも「子どもが健やかで豊かな人間性を育ててゆく援助をすることで、平和な社会の実現に貢献する」という一面があります。そのために私たちは、子どもが自らを伸ばす活動をしやすい環境を整え、子どもに適切な援助ができる大人でいなければいけない、今回の研修で改めてそう強く感じました。職員ともこの思いを共有し、子どもたちにとってよりよい環境を整えられるよう、これからも努めて参ります。

                                (飯塚)