2択大作戦
令和2年度がはじまり1か月が経ちました。桜の季節が過ぎ、本来であれば、新しいお友達も段々と園生活に慣れてくる頃です。園庭に出れば「先生、見て見て!」と、差し出す子どもの小さな手には、たくさんのダンゴ虫…そんな風景が見られる季節です。
しかし今年は新型コロナウイルスの影響で、過去に例のない事態となっていますね。私達職員も、新年度が始まる!と、新たな気持ちで迎えたのも束の間…。
臨時休園になり、子ども達、そして保護者の皆様にお会い出来なくなりました。そのため私達は、皆さんに楽しんでもらえるように、とYouTubeの配信をしたり、再開した際に子ども達が活動出来るように、と教材を準備したりして、皆さんに会える日を待ち遠しく思っています。
さて現在ご家庭で過ごしていて、これは困ったな~という状況の保護者の方、いらっしゃいませんか?今回はどのご家庭でもよくある、園でもよくある、子どもの“いやいや期”対応について記してみます。
お子様と関わる中でヒントになれば…と思います。 どんな対応かというと、名付けて【2択大作戦!】
では、ほんの一部ですが、よくあるパターンで3つご紹介します。
① お野菜食べたくない!!
そんな時は
・じゃぁ、こっちの多い方と、少ない方どっちにする?
子どもの目の前で、苦手なものを“子どもが見てもわかるくらい”少し大げさに【多い】【少ない】もしくは
【大きい】【小さい】に分けます。そして「多いのと少ないの どっちにする?」と聞きます。すると、「こっち。」と、自分で選択をします。そうしたらチャンスです。子どもも、自分で選択すると意外とすんなりと食べることが出来ます。食べた際には「食べられたね!」「にんじんは、よ~く噛むと甘くておいしでしょ~。」など、食べられたことに共感し、さらに食べてみようと思えるように話します。(1度食べることが出来ると「じゃぁ次は…」。としているうちに、気づいたらびっくり。すべて完食!そんな風にして食べることが出来る子が多くいます。)
② トイレに行きたいけど… 子ども:「トイレ行かないー!」
そんな時には、
・こっちのうさぎのおむつと、こっちのパンダのおむつ、どっち履く?
・おむつとお姉さんパンツどっちにする?
③ 戸外で歩いている際に…「もう歩きたくない~。」
そんな時には、
・〇〇ちゃんと手つなぐ?それとも先生とつなぐ?
・〇〇か△△どっちの歌うたいながら行く?
「やるか やらないか?」だと、“やらない”という選択肢になってしまいます。そこで「AかBどっちにする?」と聞き、子どもが自分で選択をすると、すんなりと納得し行動に移すこともあります。もちろんこの方法で、皆が必ずしも納得し、スムーズに動いてくれる、とは限りません。私達も、あの手この手で内容を考え、目の前に出して見せたりしながら、声掛けをおこなっています。
上手く選択肢がヒットしなくても「じゃぁ…」と諦めず子どもと、やりとりをしているうちに、なんだか楽しい雰囲気になってきて、「あれ?なんでいやいやしてたんだっけ?」さっきまでのいやいやがなくなり、すんなり。なんてことも多々あります。
今回は二択でご紹介しましたが、年齢に合わせ二択三択…と増やすこともあります。その中で子どもが選んだものは尊重していくことで、子どもの“いやいや”大人の“どうしたらいいの!”も少し減るのではないかなと思います。
生まれてからたった数年の子ども達ですが、その数年の成長は計り知れませんね。私達職員はそんな子どもの喜怒哀楽からたくさんのパワーをもらっています。それはとても貴重で嬉しいことです。
今後も日々の保育のことや、保護者の皆様に何か役立つメッセージが送れれば…と考えています。近々YouTubeで配信出来たらと思いますので、よろしければそちらもご覧ください。(飯村)