挑み続ける新しい取り組み
近頃メディアでも取り上げられるようになった麹町中学校の新たな取り組み。皆さんもご存知ですか?これまでの学校の取り組みにいくつかの改革を起こしたのです。それは…
「宿題の廃止」「定期テストの廃止」「クラス担任制の廃止」
これだけを聞くと「え!」と驚かれる方もいらっしゃると思います。私も驚きました。宿題や定期テストというのは、学校と言えばすぐに連想される代表的な言葉ですよね!
しかし、この3つの廃止の意図や経緯を知ると「確かにそうか…」と考えさせられたのです。
もちろん、世の中には本当にそれでいいのか?と疑念を抱かれる方もおられると思います。
そんな世間の目をよそに、子ども達に「社会で生きる力」を伝えたい、常に「目的は何か」を考えられるような大人になって欲しいという強い想いがこうした改革を後押ししているのだと思います。
「これまでと同じ」というのは、一見人に安心感を与えます。
なぜなら同じ工程や作業を繰り返して慣れることによって、効率化も図れるようになるからです。
しかし、本当にそれでいいのでしょうか。
目の前にいる子どもや世の中の情勢、私達の周りは目まぐるしく変化していくのに、おこなっている
ことはいつも同じ。
それが、その時代に求められるベストかどうかは、常に考えていく必要があるのではないでしょうか。
何かを変えるということは、人によっては不安や抵抗を感じたりします。
前のほうが良かった、と思う人もいます。
それでも変えようというのは、何か強い想いを持っていたり、変えたことによって見えてくるものが
あるからです。
行動をすればきっと、しただけの何かを得ることが出来るでしょう。
そうやって挑み続ける姿勢が周りの人にも影響を与え、ものごとを「より良くするために」と考える
きっかけになるのではないでしょうか。
そしてそれが「目的は何か」という本質を考えることにもつながっていくのでしょう。
麹町中学校のことをもっと知りたい!と興味を持った私は、一冊の本を読みました。
夏休みを終えた子ども達に校長の工藤勇一先生はこう言うのだそうです。
『夏休みが終わって、やることがたくさんあって嫌だなと思っている人が多いかもしれない。砂時計に例えるなら、上の部分にはまだまだたくさん砂が残っている状態だね。ここで砂時計の真ん中あたりを見てみよう。砂がたくさんあっても、残り少なくなっても下に落ちるスピードは変わらない。人間も同じで、やることがたくさんあっても、ほとんど片付いていても、進むスピードは同じなんだよね。やらなきゃいけないことがたくさんあると、人は憂鬱になって、物事が進むスピードが遅いと感じてしまう。人間は思い込んでしまう生き物なんだよね。やることがたくさんあるときも、今目の前のことに全力で取り組めることができたらいいんじゃないかな。』(省略)
私達も、つい最近大型連休を終えたばかりでしたね。
このお話を知った時、日頃の自分を振り返りました。
やることが多い少ないは関係なく、自分の心の持ちようなんだと。
そして、今やるべきことをしっかりと捉えてこなしていく。
それが大切なんですよね。
今後も、同じ教育現場に携わる身として工藤先生の挑み続ける教育改革に注目し、そこで受けた刺激を目の前の子ども達に、何かしらの形で還元できるように努めていきます。 (尾池)