Column

研修を受けて

先日、職員の継続研修をしていただいている本田ゆみ先生のご紹介で、
サッカー日本代表の小林選手をお呼びしての研修会が本園であり、姉妹園の職員とともに受講させていただきました。
小林選手は第一印象同様、とてもパワフルでとてもエネルギーに溢れた方で、
2時間の研修があっという間に過ぎてしまいました。

主に幼少期から今までのさまざまな経験の話をしていただきましたが、
私たちの質問にも率直に答えてくださり、
小林選手の誠実さとサッカーに向き合う情熱をひしひしと感じ、人間力の高さを痛感しました。

その中でもとても印象に残っていることは、「自分を褒める」というお話でした。
まずは、自分が自分で褒め、認めることが大切で、そこから自信に繋がるという内容でしたが、
それに対して参加した職員から「私は自分を褒めることができませんがどのようにしたらいいですか?」
「自分に自信がないのでどこを褒めたらいいのかわかりません」というような質問が出てきました。

小林選手の答えは、自分を褒めることがなかなか出来ない人は「相手を褒めること」から始めるといい。
人間の脳は、相手を褒めることでもポジティブになり、次第に自分も認められるようになる。
相互が刺激し合うことで、前向きになっていくとのこと。

また、「失敗してもいい!」という言葉にも驚きを感じました。
世界の第一線で活躍して常に精神的にも肉体的に追い込まれている方から、
そのような言葉が出るとは思っていなかったからです。

大江統括園長がよく言っている「失敗は成功のチャンス!」ということと重なり、
急に小林選手との距離が近くなったように感じると共に、
同じ人間なのだから、私達に出来ないことはないと、私自身プラスに考えられるようになりました。

また、この失敗から学び、常に前向きに考えることは、
私達が日々、子ども達と関わることと共通する部分がたくさんあります。
モンテッソーリ教育では「子どもは出来ないのではなく、そのやり方を知らないだけ」という言葉があります。
「なぜ、この子は出来ないのか」と悲観的にとらえるのではなく、
「どこがわかったらできるのか」「どのようにやり方を知らせればわかりやすい」のかと、
子どもの「今」の発達状態を見て、子ども達がどうやったら出来るようになるのかを常に前向きにとらえかかわっています。
時には、失敗してしまうこともあります。
しかし、失敗を怖がって何も行動に移さなくては何の変化もなく、成長をすることすら出来ません。
小林選手のお話を聞いて、まさに実行することの大切さを学ぶことができました。
自信を持てるということは、それだけの努力を常に行なっているということです。
私達保育者も分野は違えど、同じプロとしての自覚をもち、努力を惜しまず、
仕事に真摯に向き合っていかなければと思います。
日々学び、成長している中子ども達に恥じないように・・・・。
そして、少しでも、園にかかわるすべての人に私たちの学びと実践を還元できるように
これからも努力していきたいと思います。

(武富)