選択
人生は選択の連続です。朝起きて、まず起き上がるのか、もうちょっとゴロゴロするのかそれとも再び寝るのか、、、起きてから眠るまでの間、人はたくさんの選択する場面に遭遇しています。
スタンフォード大学のジョナサン・レバーブ准教授は「選択」についての研究を行っています。レバーブ准教授は「決断疲れ」の論文で全米で大反響を巻き起こしました。
「多くの選択肢を継続して与えると、人間の決定の質はどうなるか」という実験を行い、「決断疲れ」を立証しました。なぜテレビショッピングは深夜に放送されるのか?1日の終わり、すでに朝からたくさんの選択を行ってきた時間に衝動的に買ってしまうという人の性質をたくみに利用しています。
オバマ前大統領はグレーか青のスーツしか着ないことにしている、とインタビューで語っています。決断すべきことがたくさんあるため、日常生活はルーティン化しておくことによって決断のエネルギーを残しておいたそうです。
またアイエンガ―教授も「ジャムの実験」で「選択」について研究しています。
・24種類のジャムを並べた場合 60%が立ち寄る⇒そのうち3%が購入(全体の約2%)
・6種類のジャムを並べた場合 40%が立ち寄る⇒そのうち30%が購入(全体の約12%)
このジャムの実験が証明しているのは「人は選択肢が多すぎると、選択することそのものを放棄してしまう」ということです。
人間の処理能力には限界があります。「7∓2」が人が一度に処理できる数の限界だと言われています。上のジャムの実験の場合「6」は「7∓2」の範囲内ですが24は範囲外です。
子どもにとっては「選択」は幼児期に獲得したい力のひとつです。自ら選ぶということは、子どもにとって自分の意見を認めてもらい、自信にもつながることです。また自分で考える事、判断することにつながっていきます。YES、NOが理解できるようになったら、まずは「どっちがいい?」の二択から。園でも成長に合わせて二択⇒三択⇒自己選択ができるように導いています。大人でも「7∓2」が限界だとすると、子どもにとっても「限られた選択肢」が重要なポイントです。
私たちの日々はたくさんの「選択」によって成り立っています。その「選択」が本当に正しい判断なのか?今一度立ち止まって考えてみることも時には必要かもしれませんね。