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モンテッソーリ教育について学ぶ②

前回のコラムでは、『モンテッソーリ教育の考え方の基盤』『一般の教育とモンテッソーリ教育の違い』についてお伝えしました。今回は、敏感期についてご紹介します。

 

敏感期とは

敏感期という言葉は生物学者のド・フリースが使い出した言葉です。モンテッソーリは生物学で発見されたことを人間の中にも見いだし教育に利用しました。ここでは毛虫の事例でご説明します。

 
蝶は卵を産むとき、雨や風に影響を受けない安全な場所(幹が枝に分かれるまたの所)を選びます。卵から孵った毛虫は、自分の周囲にある大きい葉は堅くて食べることが出来ません。生まれたての毛虫が食べることの出来る葉は、枝の一番先にあるやわらかい新芽だけなのです。ではその時期の毛虫がどうやって枝の先端にある自分が食べることの出来る新芽を見つけるのでしょうか。それはちょうどそのタイミングに、光に対して非常に敏感になるからです。

 敏感期があるのは毛虫だけではありません。人間の子どもにも、ある一定期間だけ、何か特定のものに非常に敏感になる時期が見られます。今回はいくつかの敏感期を紹介します。



言語の敏感期
胎内にいる時から始まり、5歳半くらいまで続きます。大人が特別教え込むことをしなくても、話が出来るようになるのは、この敏感期のお蔭です。
例)話す声の方に顔を向けようとする。真似して言おうとする。等


秩序の敏感期
最も大人が理解しがたい敏感期。別名イヤイヤ期。2歳前後の子どもが順番ややり方、位置などに強いこだわりを持つ時期です。自分がいる世界を知るために大切なことです。
例)いつもと同じ道順でないといや。朝の支度を違うやり方をすると怒る。等


運動の敏感期
運動とは、「持つ」「運ぶ」「歩く」「立つ」「押す」などの動きのことです。自分の意志通りに体を動かせるようになることに、強い興味を持つ時期です。
例)ティッシュを全部出す。水を出したり閉めたりする。等

数の敏感期
3~6歳頃にやってきます。数を数えたい、数字を読みたくてしょうがないなど数というものにとても敏感になる時期です。
例)「今日は何日?」「家に1000個も持ってるよ!」等

 

敏感期を通しての子どもの変化

 敏感期に合った教具や活動に触れることで、子どもの活動のサイクルが出来上がります。繰り返し繰り返し行い、活動をやりきった子どもは満足感や充実感で満たされ、正常化されます。

敏感期への関わり方とは

では、子どもの敏感期を発見した時、大人はどのように関わったらいいでしょうか。例えば、ティッシュを全部引っ張り出したり、蛇口をひねって水を流しっぱなしにする子どもがいます。 

「またいたずらしてる」「ティッシュを毎回無駄にしないでよ」「水がもったいない!」ついつい思ってしまいがちですが、子どもは「困らせてやろう」と思ってやることは絶対にありません。モンテッソーリの観察の視点では、主観を捨て、事実だけを見ます。

例えば・・・
【ティッシュの例】「この子は引っ張る動きが好きなんだな」⇒「じゃあ、引っ張る活動や教具を用意してあげよう」
【蛇口の例】「ひねる動きに夢中みたいだ」⇒「ひねる教具を提示してみよう」あるいは、「水に興味があるんだな」⇒「水遊びなど、水に触れる活動をおこなおう」

このように、子どもの姿から敏感期を発見し、合った活動や教具を用意することで、自己教育力が十分に発揮され、子どもは成長していきます。また、この観察の最大限のメリットとしては、『大人もイライラしなくなる』ことです。敏感期を探すことで、「あっこんな時期なんだな」と楽しい気持ちになります。是非、お子さんの敏感期について観察してみてください♪