~子どもたちが身を乗り出して聞く道徳の話~
2018年から、今まで正式な教科となっていなかった「道徳」の授業が特別教科として格上げされました。この件について賛否両論はありますが、「道徳」というものが少しずつ重要視されるようになってきているようです。
さて、道徳というと小学校から始める教育というイメージですが、私はむしろ幼児期にこそ必要な
ものだと考えています。はじめて社会生活を体験する保育園という場で、まずは正しいことを知ることが心の成長に大切です。自分だけではなく人のために何かをする「奉仕」や自身で考えて正しいことを行う「自尊」、自分を制しルールを守る「自律」など、同年代や年の近い友達、大人とのかかわりや共同生活をしていく上で、道徳は欠かせないものです。
道徳についていろいろと調べていく内に一冊の本に出会いました。
『子どもたちが身を乗り出して聞く道徳の話』というタイトルの本です。本の内容は、「道徳」という
難しい内容を子どもに対してどうわかりやすく伝えるか。イラストや実際に子どもに伝える際の話し
方の例がまとめられているものです。
道徳というとまず「何を知らせるか」が先行しがちですが、子どもにわかりやすく伝えるということを考えれば、「どう伝えるか」が最も大切なことだと思います。私が道徳について子ども達と行うとき、以下のことを心掛けています。
①大人が子どもに教えるのではなく、共に考えること
②言葉をなるべく少なくし、子どもの心に残る「一言フレーズ」を使うこと
③イメージしやすいように言葉だけでなく絵を描くこと
例えば、奉仕の話では「心の大きさ」をウメボシに例えたウメボシマン、自尊の話では「自分の行動を見ているもうひとりの自分」として目玉のおやじなどイラストとキャラクターを使いながら伝えることで、子ども達の中で道徳がわかりやすく浸透していきます。
日々の生活の中で、「楽しくわかりやすく」をテーマに道徳(=心育)を子ども達と共に考え伝えて
いくとともに、私達大人自身も今一度、日頃の生活を客観的に振り返り、モラルを保ちながら良い見本となっていきたいと思います。
参考文献
『子どもたちが身を乗り出して聞く道徳の話』
著 者:平 光雄
出版社:致知出版社