10月の風物詩
10月と言えば、皆さんは何を思い浮かべますか?
読書の秋、食欲の秋、芸術の秋、またはハロウィンや、運動会などを連想した方もいると思います。
今回は“芸術の秋”について触れ、子ども達が園生活で楽しんで取り組んでいる「あるて」の素晴らしさを改めて紹介します。
なぜ10月に芸術の秋と言われているのかというと、過ごしやすい気候になり、環境からのストレスが少なくなることで心への負担も軽くなり“芸術”を楽しむゆとりが出来る、と言われています。
また、きれいな景色を楽しめる季節となり、写真を撮ったり絵を描いたりと芸術に触れることが多くなることも理由の一つとされています。あちこちで大きな美術展が開催されるのも魅力です。
「あるて」はイタリア語の「Arte(芸術)」という言葉が由来になっており【臨床美術】を元にした芸術療法(アートセラピー)のひとつです。
臨床美術では一人ひとりが五感で感じたことを表現することを大切にしています。
その感じたことを自分なりに表現することが高齢者の介護予防や認知症予防・症状改善、働く人のストレス緩和、子どもの感性教育などに効果が期待出来るとされています。
このプログラムを臨床美術士の資格を持った職員が子ども達とおこなったり、子ども用にアレンジしたものを日々の保育の中で取り入れています。
清香会での【あるて】
◎子どもの感性と想像力を育み、表現することの喜びを共感しあう=目的
◎完成した作品に対して「上手」「下手」という概念はなく、表現したすべてを受け入れ認める
◎画材や素材のこだわり
⇒ダーマトグラフ(ワックスを多く含む太い芯の鉛筆)
オイルパステル(圧が弱い乳児でもしっかり色が出せる)
ベビーパウダー(オイルパステルで描いたあとに振りかける。擦ると色が定着し光沢感が出たり何度も塗り重ねた部分は少し浮き上がったような質感になる)
画用紙・ケント紙・障子紙・バフン紙などの用紙を使うことで出来上がりの表情が変わる。
◎鑑賞会を皆で楽しむ
作品が出来上がったあとは「鑑賞会」を行います。
一人ひとりの作品を見ながら、素敵だなと思ったことや感じたことをお互いに伝えあう時間です。
「この色がかっこいい」「この形が動物みたいに見えるね」とさまざまな感想が聞かれます。
サツマイモの量感画を描いた時には「なんかいい匂いがしてきそう~」と一人が言えば「この前食べたサツマイモに形がそっくり!」など、面白い発言がたくさん出てきます。
昨年度は、保育参観で親子一緒に1つの作品を作り上げることをしたチームもありました。
大人もあるての活動を通して芸術の秋を楽しんでみてはいかがでしょうか。 (中川)