Column

【語り継がれる平和教育】

8月15日は「終戦記念日」です。
1945年8月15日の正午、昭和天皇から日本が無条件降伏したことが国民に伝えられました。

8月になると戦争について考えさせられます。近年ではウクライナでの戦争があり、この時期にならずとも考えさせられることがたくさんあります。

 現在、戦争経験者の人数は年々減少し、リアルな体験談を聞ける機会が少なくなっています。

体験者の家族や支援者の方たちが次の世代に語り継いだり、最近ではオンラインで戦争体験を学習する取り組みが増え始め、全国にある平和博物館では(全館ではないです)戦争体験者の語りをアーカイブ化して残す活動を始めているそうです。

 私が戦争に触れた(見た・聞いた・学んだ)経験ってどうだったかな…と考えると、初めは幼児期に家族で見た「火垂るの墓」の映像でした。私が“見たい”というよりは、テレビから流れている映像を眺めていました。“飛行機がたくさん飛んでる…火が燃えてる…怖い…”という印象を持ったことを今でも覚えています。特に、清太と節子の母が亡くなり運ばれてくる映像は目を覆いました。小・中・高では学習の中で学ぶ機会もありましたが、中学校では、広島、長崎の原爆投下の映像を見ました。今思うと、あの映像は年齢に対して適したものだったのかと思うほど、ショッキングな内容でした。授業で学ぶよりも、映像で見たことで“戦争は恐ろしい…”と実感したことを覚えています。高校では、修学旅行で沖縄に行きました。沖縄と言えば、日本で唯一地上戦が行われた地です。ひめゆりの塔や当時のガマ(地下にできた自然洞窟ですが当時はこのガマに逃げて生活をしていた場)の見学、戦争体験者からのお話を聞きました。

 近年の学習で、どれだけ昔の出来事に触れるかわからないですが、このような事があったということを知ることは大切なことだと思います。

園でも、この時期になるとマジョラムの子ども達(主に年中・年長)を対象に、戦争ってどんなこと?当時の生活ってどのようなものだったかな?など、絵本や話をしながら伝えています。もちろん、怖がらせるという目的ではなく、子ども達が“考える”ことが大事です。話をしていると“なんで戦争をするの?”“昔はどんな遊びをしていたの?”など様々な疑問が子ども達から聞こえてきます。そこからまた話が広がり“ご飯を残すことってもったいないよね”“みんなで仲良く暮らしたい”など、それぞれ感じたことを話してくれます。

 また、モンテッソーリ教育の元は「平和教育」です。マリアモンテッソーリは“平和は子どもからはじまる”と、この教育を世界中に伝え続けました。自分の気持ちを満たすことが、他人を尊重する心に繋がっていきます。

 子ども達は様々なことを経験して、想像力を働かせたり考えたりしながら、たくさんの選択をしながら生きていきます。ぜひ、ご家庭でも色々な会話を楽しんでくださいね。                     (中川)