教えなさい 教えなさい また教えなさい
これはモンテッソーリ女史の言葉です。
子育ての中で、保育の中で、とても大事な要素です。
『小さい子どもは、大人の8倍時間が掛かる』つまり子どもが何かやろうとすると、それぐらい
時間も必要で、子どもから見ると大人の動きは8倍速に見えているそうです。
例えば、小さい子どもがテーブルを拭いている様子を見て真似しようとすると…
大人であれば、布の面をしっかりテーブルに付けて、端から端まで滑らせて拭く、という動作を
しますが、子どもの目には『単に台布巾をひらひら動かしている』ように見えていることが多いのです。
ですから、保育園でも「見ててね」と言って、ゆっくりと動作だけを見せます。
「これを畳んで、こうやって持って、端からズーっと…」というような言葉がけは出来るだけ
しません。
子どもは2つのことを同時にするのが、まだ難しいからです。
(『聞く』と『見る』を一緒にすること)
一つひとつの動きを分析して、見せます。
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台布巾をテーブルの上に置き、半分に畳む
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手の届く一番遠くの左端に台布巾を置く
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右手の平で台布巾を押さえ、真横に右端までスライドさせる
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今度は台布巾1つ分だけ手前にずらし、また右手の平で押さえ、テーブルの左端までスライドさせて拭く
という具合に、一度よく見せてから「やってみる?」と渡します。
実際、こちらが意図したように出来なくても「もう1回やるから見ててね」と再度、同じように
して見せます。
決して「そうじゃないのよ。こうやるの!」と否定的に言わず、違っていたら何度でも正しい
やり方を見せます。
つまり【教えなさい 教えなさい また教えなさい】なのです。
園の中では、大きい子が小さい子のお世話や教えてあげる機会がたくさんあります。
大きい子も同じように「見ててね~」と言って、見せたり、やってあげたりしています。
小さい時に教えて貰ったことは、大きくなると今度は小さい子に教えてあげたり、まだ出来ない
同学年に教えてあげたりします。
その関りは本当に素敵ですね。
優しくして貰った経験は、友達や周りの人に返してあげることが出来るんですね。
ご家庭でも『子どもには8倍ぐらい早く見えてるんだな』と思って頂き、一緒にゆっくり
楽しい時間を過ごしてみて下さい。
子ども時代は、あっという間に過ぎてしまうのでね… (加賀谷)