Column

線上歩行について

 

 4月が終わり、新入園の子ども達も少しずつ園生活に慣れてきたようです。

新緑の気持ちのいい季節、この自然からの贈り物を大事に生活していきたいですね。

 

さて、今回は夕方のホールで行われている【線上歩行】というモンテッソーリの活動についてお伝えします。

5時30分を過ぎるとマジョラムでは、それぞれが片づけをしてホールで一斉活動をするために流れていきます。

【線上歩行】というのは『歩く』という動きそのものをおこなうことです。

線の上を一歩一歩ゆっくりバランスを取りながら歩くことで、平衡感覚が養われたり、自分の動きをコントロールすることが出来るようになります。

つま先に(反対側の足の)踵を付けて、一歩ずつゆっくり歩く…

大人でもちょっとよろけそうになりますよね。

これを毎日続けることで、『動き』も『気持ち』も穏やかになります。

1日の中で、このような静かな時間を過ごすのも、とても大事だと考えます。

 実施時間は10~15分程で、一人1回、自分の番が回ってきます。

トラック(楕円形)の周りに座り、名前を呼ばれたら自分の目の前の線(ライン)からスタートします。

自分で動きの調整(コントロール)が出来るかどうかも子どもにとっては面白味があります。

当園では床に直接ラインが引けないので、じゅうたんや畳など使って、その周りを歩いています。

年長児になれば、何かを持って歩くこともします。

例えば⇒旗(棒に着けた物=傾かないように)

    ベル(音が鳴らないように)

    30㎝ぐらいのヒモ(先に重りとして鈴などを着けた物=揺れたり音が出ないように)

    大きいスプーンの上にピンポン玉を乗せる(落とさないように)

    カゴや冠などを頭に乗せる(落とさないように)

    色水の入ったグラス(色水がこぼれないように)

♪G線上のアリア(バッハ)の曲を聞きながら、線の上を1周し、自分の場所まで歩いてきたら座って、皆が終わるまで静かに待ちます。

この「自分の番じゃなくても待てる」というのも大切です。

もちろん、どの子も初めから出来るわけじゃないです。

おしゃべりしてしまったり、座ってはいても身体が動いてしまったり…

その都度、子ども達には「お友達が歩くのを待っていようね」「綺麗に歩いてるから見ていようね」また、「背中をピンと伸ばして座っていられる人もいるね」など、意識して待てるように声掛けをしています。

線上歩行を通して心も身体も徐々にコントロール出来ていきますね。

モンテッソーリが目指した平和で自立・自律した人になるように一歩ずつ成長していきます。

                                     (加賀谷)