Column

「ZEN」

みなさん、「ZEN」をご存じですか?日本を飛び越えて、今や世界でも人気の「禅語」です。

禅語と子どもはなかなか結びつきにくいかもしれませんが、最近では子ども用に分かりやすく訳している本があり、
マジョラムでは数年前から一日ひとつ禅語を伝えています。

先日、ふとホールのホワイトボードを見ると「明珠在掌」と書かれてありました。

この禅語、どのように読むか分かりますか?

答えは「みょうじゅ たなごころ にあり」

「明珠在掌」には大きく2つの意味があります。

・明珠=眼鏡

・正しく物事を見る、善悪の正しい判断は自分でできる という意味

・明珠=美しい珠(宝)

・大切なものは手の中にすでにある(当たり前のことに感謝)という意味

 

意味を調べてみると、どちらにも私達が大切にしている保育の関わりや、育てたい姿に通ずるところがあると感じました。

モンテッソーリ教育では【自立・自律】を目指していますが、よく「自由」というイメージを持たれることが多いです。

ただ正確には「規律を伴った自由」を大切にしており、その中で自立を促しています。

例えば、室内活動では数に限りがあるものが多く存在します。

どうしてもやりたい場合には、前の子が終わるまで待つ、というルール(規律)があります。

待つのは退屈してしまう子もいますが、それでも今やっている子の邪魔をしたりせず、静かに待ちます。

そのルールを守ることで、自分の番が回ってきた時にも誰かに邪魔されず、最後まで楽しむことが出来るのです。

これらの経験を幼いころから何度も繰り返し、少しずつ積み重ねていくと、自分のことを自分で出来る力の基礎が備わり、
自立に向かっていくと考えられています。

 『当たり前のことに感謝』という段では、身近にある食事もそのうちの一つにあたりますよね!
日頃からさまざまな食育活動を通して、子ども達に食の大切さを伝えていますが、先日はミールケアさんに、鮭の解体ショーを
していただきました。
目の前で鮭が解体される様子に、息を飲むように釘付けになっていました。その鮭は午後おやつのおにぎりとして出され

「鮭の命を美味しくいただく」感謝を体験しました。

【明珠在掌】は外国人50人の「好きな禅語アンケート」でも第一位。知る人ぞ知る言葉です。

また「自立・感謝」という言葉も、いつの時代・どの国においても大切な事柄のようですね。

季節柄、体調不良になることもありますが、普段健康な身体でいられることに【感謝】ですね!

2024年も残り1ヶ月…「自分の手の中に既にある当たり前」を振り返って、感謝の気持ちで今年一年を締めくくりたい
ものです。

                                                  (尾池)