Column

~正しい体の使い方~

生まれてから6歳までは、生涯にわたって使う体と脳の土台を築く大切な時です。

その体と脳の発達は、足や手、体幹を鍛える全身運動によって促されます。

人間の神経細胞は、生まれた時は細胞同士が繋がっていません。

それらをいかに複雑にたくさん繋ぎ合わせるかは、五感を使って刺激を受けることも必要になります。

そのため日頃の全身運動が、乳幼児期の体づくりであり、脳育てになります。

その上、運動は創意工夫する力や集中力の土台にもなります。

子どもは発達に合わせて、はいはい、つかまり立ち、歩く、走る、スキップするなど一連の動きを獲得していきますが、その一つひとつの動きが充分でないと、疲れやすいなどの影響が出ることもあるそうです。

粗大運動でいろいろな動きを遊びの中でおこない、体幹を整えることが大切ですね。

また、歩く、座る、走るといった基本動作に加えて、上体をひねる、中腰になるといった中間の

動きも、育ちの中では重要です。

これらは外あそびや散歩、普段の生活を通して、無意識に経験していきます。

 

さて、体幹がしっかりしてくると微細な動きも出来るようになりますが、まだ不安定な場合は以下の

ように園生活がスムーズに運べないこともあります。

例えば・・・

○手先がぎこちない

  鉛筆をもつ、ハサミを使うなどの細かな動きを安定させるためには、体幹で全身のバランスを

微調整する必要があります。体幹が育ってはじめて、微細な動きがスムーズになります。

○安定しない

  体幹が育っていないと、座っていても姿勢が保てず、何となく落ち着かなくなります。

○集団遊びをしたがらない

  体幹が育っていないことで動きがスムーズにおこなえず、「出来ないな」と思う遊びには参加しないなど、積極的になれないことがあります。

○自信をもって楽しめない

  手先が上手く使えなかったり、集団あそび(運動)が苦手だったりすると、自信を持って楽しめないですね。

モンテッソーリは「自分の思うように手や体が動き、やりたいことがスムーズに出来ることが、子ども

にとって一番しあわせなのです」と言っていますが、正にその通りですね。

そのために園では、戸外遊びや運動あそびなど、たくさんの経験を得られるように保育計画を立てて

います。

 

子どもは生活の中で自然と正しい体の使い方を知り、それはケガ予防にもなり、意欲的にどんどん

やりたいことに向かって経験を積んでいきます。

子どもの姿勢が崩れている、と言われる今日だからこそ、脳にも大切な子どもの体幹育てを

ご家庭でも是非、考えてみてください。   

(北嶋)