~『やって見せる』『やっていることを見守る』~
4月に開園をして全てがはじめましてで始まりましたが、今年もあと1ヶ月で終わりですね。
最初はお父さん、お母さんと離れることが嫌で涙して登園してきたり、モンテッソーリ教育の教具の
使い方がわからずに戸惑う姿もあった子ども達。やっと慣れてきたかと思ったらゴールデンウイークや
長いお休みで子どもの気持ちも落ち着かなかった日々を思い出します。
今では笑顔で『おはよう』と登園してくれて友達と会話をしたり、室内の教具や戸外遊びなど楽しみに
していることが感じられます。
先生達も子どもが笑顔で楽しみながら興味の幅を広げてもらいたとい日々、子ども達にたくさんの
体験・経験ができるように保育計画に室内の環境も季節や成長に合せて変更をしています。
新しいことをするときや子どもがやり方がわからずに困っているときには「提示」と言われる子どもに手本・見本としてやって見せることをしています。この提示をするときには「言葉と動作は分ける」
「ゆっくり丁寧におこなう」ことに注意しています。子どもから見て大人の動作はゆっくりと見せているつもりが6~8倍の速さで見えていると言われます。
例えば「お父さん(お母さん)のようにこの場所では歩いて移動するんだよ」と伝えたとしても子どもには走っているような速度で見えていることがあります。「提示」(見てやり方を知ってもらいたい)を
するときには一つひとつの動作が理解できるように本当にゆっくりとした動きで見てもらえるように
しています。言葉と動作を一緒にしないのも見て知ってほしい動作に集中できるように声が集中を
妨げないように話すときには言葉だけ、動作を見せるときには動きだけと分けています。
やり方を知った子ども達は実際に触れてみて聞いたこと・見たことを自分の手でやってみてやり方を習得していきます。このときに1回で習得できることもあれば繰り返し何度もする中で習得していく
などさまざまです。
子どもに伝えたことができていない時に大人はついつい『こうやってやるんだよ』とすぐに声をかけてしまうこともありますが、大人の手伝いが今必要なのか、それとも見守るタイミングなのかを日頃の保育の中でも職員は気をつけています。
子どもは伝えたこと通りにできていないことはありますが、繰り返しおこなっているときに間違えも含めて“どうすればできるのか”を考えながら取り組んでいます。
正解に真っ直ぐ進んでいないように見えて遠回りをしているのかもしれないですが、考える時間が
子どもが成長する時間です。
本当に困っているから手伝うのか、試行錯誤をしているので見守るのかは一人ひとりの個性・性格を
観察して見極めてかかわっていきたいと思います。
自分で考える力が育まれるためにも子どもが成長する大切な時間を守っていきたいものですね。
そのためにも11月の半ばの土曜日に園内研修を実施して子どもとのかかわり方や見方の勉強会を
したり、平日にも研修をおこなっています。
日々、成長する子ども達が輝く毎日を送れるように職員も成長していきたいと思います。
(北嶋)