~注意(叱る)・怒る・伝える~
10月はカモミールクラス、メリッサクラス、ハニークラスの懇談会がありました。
その中で、ご質問にもありました【イヤイヤ期】についてモンテッソーリ教育の視点と子どもの成長と
併せてお話させていただきます。
【イヤイヤ期とは・・・】
子ども達はそれぞれの年齢で敏感期があります。
敏感期にある子どものその時期は他のどんなことよりも知りたい・見たい・触れたいと感じる時期です。「魔の2歳児」という言葉があるように2歳〜3歳くらいの子どもたちに現れるイヤイヤ期があります。モンテッソーリ教育ではこのくらいの時期は特に「秩序」や「小さいもの」に対してこだわる時期
だと言われています。またそれまでにできるようになった手脚などの「運動」をさらに調整し、洗練させていく時期としています
2歳前後では“順序にこだわる・場所にこだわる・習慣にこだわる(秩序の敏感期)”など小さな
子どもはもともと秩序が好きで、キレイな状態が本能的に好きです。『いつもと違う』ことが嫌で
『いつもと同じ』に安心感をもちます。また、この時期は今まで見てきたことや経験したことを頭の中で整理してファイリングしている時期でもあると言われます。大人から見たらワガママなことややり方が違うと感じることも子どもからみたら『(自分が思っている)いつもと同じこと、いつも見ていたこと』なのかもしれません。また、大人が気がつかない小さなものに気がつく時期でもあり、大人から見えている世界とは違う視点をそのときの子どもはもっているのかもしれません。
ついつい『ダメだよ』『なんでそんなことしたの?』などと声をかけてしまいがちですが、この時期は“やってみたい!!”けどやり方がわからないことが多くあるので、大人がやり方を丁寧に伝えて
“できた!”の達成感にかえてあげられたらと思います。
いつもと違うことをするときには『今日は○○があるから××だよ』と事前に説明をすると子どもも
理解して行動できることがあります。子どもに伝えてもわからないから・・・と曖昧に伝えてしまうと
子どもにとっては『いつもと違う』と不快感から行動ができないこともあります。
子ども達は『いつもと同じ』ことを繰り返すことで、自分で順序を決めた通りに行動していき先を
見通す力がついたり、こだわりをもった行動を何度もすることでどうすれば上手くいくのかと
順序・手順を考える力が身についていくと言われています。
この【イヤイヤ期】を経て将来、子どもが先を見据えて自分で段取りをつけることができる、手先が
器用になる、片付けが上手になることに適した大切な時期です。
何度も繰り返す中で新たな力を身につけようとしている子ども達に具体的な言葉と丁寧なかかわりで
寄り添っていきたいものですね。
子どもの見方や言葉かけの仕方も研修等で職員同士で考えています。
怒るということは自己の感情によるものなのでしませんが、相手に迷惑になる行為、命にかかわる危険があるときには職員も子どもに注意をすることもあります。しかし、子どもの成長・発達がどの段階に
あるのかを見極めて観察し、子ども達が自ら学んでいけるように丁寧にやり方を伝えていくことが
大切です。自分の主観だけではなく子どもが何をしているのか、何に興味をもっているのかという視点で見るといつもと違った見え方をするかもしれませんね。
(北嶋)