Column

異年齢(たてわり)保育で育まれるもの

 

私達の法人では、異年齢での生活を大切にしています。

例えばクリスマス会の練習では、年上の子は年下の子に「こっちだよ」と立ち位置を教えてくれます。

年長の合奏を見た年中は「年長さんかっこいいね!」「ハンドベルやりたいね」と憧れの眼差しで聞いています。

また、玄関で2歳児の子が1歳児の子に靴を履くお手伝いをしていたことがありました。

なかなか上手くいかないながらも、一生懸命やってあげようとする微笑ましい姿でした。

子ども達にとって年齢の異なる友達と関わることは大きな刺激になり、教え合ったり、お互いたくさんのことを学びます。

私達職員は、“人間関係を深め成長へとつながって欲しいな”、と願いながら見守っています。

実際、異年齢保育を実践することにより、以下のような成長・姿が見られます。

 

・お世話をすること、されることの喜びを感じる                                       

・年上の友達に憧れの気持ちを持ち、真似してみる                            

・年上としての自覚や責任感が芽生える

・人を思いやる気持ちや優しさが育まれる

・互いに刺激し合い、協調性や社会性を養う

・人の違いを受け入れる力が育つ

・感謝の気持ちが育まれる

 

 

お世話をしてもらった子どもは喜びと安心の気持ちを感じ、お世話をした子は人のために何かを

したいという気持ち、感謝されることの喜びを感じます。

時には手を出しすぎてしまったり、どう関わっていいか悩む姿もありますが、その都度、職員の関わりを見て真似てみたり、相手の気持ちを考えてみたりと、自分で考え行動していくことで少しずつ成長しています。

そんな子ども達の様子を見ていると、逆に私達職員も「手や口を出しすぎていないか?」「先回りして

やってあげていないか?」「急かさず待てているかな?」など気づかされることもあります。
お世話をされて育った子が大きくなった時に、自分のしてもらった記憶を思い出しながら、今度は小さい友達のお世話をして成長してほしいな、と思います。

たまには意見が合わずトラブルになったり、うまく自分の気持ちが言えず悲しい気持ちになったり・・・そんな経験も大切だと感じています。

少子化が進み、異年齢で交流したり、生活する機会を持つことがなかなか難しい現代だからこそ、

異年齢での関わりは重要になってきます。

今後も子ども達一人ひとりの発達や成長に合った環境を作り、異年齢活動を充実させていきます。

私達大人みんなで、子ども達の“心の育ち”を大切に考えていきましょう。      (武田)