子どものやってみたいは自立の一歩の始まり
子どもを観察していると毎日いろいろな姿を見かけます。
先日、帰る時に見かけた素敵な場面がありましたのでご紹介します。
1歳児の子どもが玄関で靴を履いていました。そのそばでお父さんが子どもを見守っていました。
その子が木のスプーンを持っていたので、私は「なぜスプーンがあるのですか?」と尋ねてみました。
するとお父さんが「これ靴ベラなんです。毎日、靴を履くときに使うので・・・」と教えて下さいました。なるほど・・・いつもお父さんが靴を履くときに使う靴ベラを子どもも見ていて、それを使いたいとお父さんの真似をしているのがわかりました。
しばらく見ていると、いいタイミングでお父さんが靴ベラを子どもに渡し、ちょっと使った後にその子は大満足の笑顔を見せていました。
その様子から、子どもの「やりたい」を尊重しているお父さんがとても素敵に見えました。
私もわが子が小さい時に、マンションのカギを必ず自分で開けたがっていたことを思い出しました。
4人の子ども4人ともが、1歳から2歳の時期にカギに興味を示して毎回触らせていたなぁと、当時のことがよみがえりました。
「自分がお手伝いをしてあげた」という満足感をいつも味わっていたような様子だった、と記憶があります。
ちょうどこの1歳から2歳の時期に子どものやってみたいという気持ちが爆発的に起こります。
自分でやりたい欲求が顕著に表れるので、上手く出来ないことで癇癪を起したり、すぐに機嫌が悪く
なったりもしますよね。
同時に所有物や場所、順序にこだわる「秩序の敏感期」が現れてくる時期でもあります。
例えば、毎日エレベーターのボタンを押したがる。お風呂に入る時に洗う順番が決まっている。自分の席とお父さんの席を覚えていて、違ったら教えてくれる。いつもと違う道を通った時に「そこじゃない」と
怒る。など、いろいろなこだわりが出たりする姿を見たことがあるかもしれません。
一人でやってみたいという気持ちは自立への一歩になります。
前述のように、子どもが時間を掛けて試行錯誤しながら靴を履いているとします。
時間がない時など、つい「自分で出来ないでしょ」と手を出してしまうことってないですか?
この『つい手伝いたくなる』ことを意識して抑えてみて下さい。
子どもが一生懸命取り組んだ末に「出来た」という達成感を味わうことは、子どもにとって何でもやって
みよう、というやる気にも繋がるので大きく成長します。
私達大人が、今その子が何にこだわっている時期なのか?を意識して観察してみると、とても興味深く意外な発見にもなり、「子どもって面白いな」と楽しくなると思います。
小学校に上がると、子どもも親から少しずつ離れていきます。
ぜひ今の子どもの姿を観察し、子どものやりたい気持ちを満たしてあげるとともに、出来たことへの
喜びも一緒に感じて、乳幼児期を親子で楽しんでいただければと思います。