Column

『ちゃんと』って?

先日参加した研修の中で「子ども達にちゃんとして、と言ってませんか?」と問われました。

この言葉を聞いたときに「そういえば!」と思うことがあり、普段の様子を振り返ってみました。

 「ちゃんと○○して」 「きちんと○○して」

普段何気なく使っているこの言葉、実は子ども達には難しい言葉なんです。


例えば・・・本棚に絵本を片付けてほしい時。
私達大人の「ちゃんと片付けて」は背表紙は読めるようにこっちに向き、きれいに整頓された状態のことを指しています。
しかし、子ども達の「ちゃんと片付ける」は本棚に絵本を納めることでOK。

そうなると大人と子どもでイメージの差が出てきてしまいますよね。
(そこでなんで言ったのにちゃんと片付けないの!!と怒りにかわってしまうこともしばしば)

辞書で調べても「ちゃんと」=「きちんと、完全な」とあいまいな表現です。つまり人によってちゃんとした範囲も違ってきます。

このような状況の時には「本の表紙が見えるように並べて片づけてね」と伝えるとどうでしょう。

具体的な言い方であれば子どもも想像がしやすく、大人が言っていることも伝わりやすくなります。

例えば  ☆「ちゃんと挨拶しようね」→「相手の顔をみて聞こえる声で挨拶しようね」

     ☆外を歩いている際に「ちゃんと歩いてね」→「白線より建物側によって手を繋いで歩こうね」

 ご家庭でも「なんで伝わらないのだろう」と思うことがあったら、少し言い回しを変えてみてはいかがでしょうか?

普段、何気なく使ってしまっている「ちゃんと」ですが、大人であっても意思の伝達が難しい言葉ですよね。

子ども達に、より具体的に伝わりやすいよう、改めて私達保育士も意識して声を掛けていきます。

                                                 (馬塲)